めったに更新しないであろうSSです。
暗いです。死ネタです。
このせつベースですが木乃香語りです。
了承して頂けたらどうぞ〜。
闇は深く、光は遠い。
空にはただ白く輝く月がたたずんでる。
その光は淡く、優しく二人の少女を包み込む。
一人の少女が腕の中にもう一人を抱え、一つの影となっている。
「…なぁ、せっちゃん。覚えてる?」
一人の少女が口を開く。
「初めてうちにキスしてくれた時…」
腕の中の少女は、ただ時の中に身を沈めている。
「『必ず幸せにします。』…って、言うてくれたよね?」
語る少女の顔には悲しい微笑みが浮かんでいる。
まるで戻らない過去にすがりつくように。
語りかけられている少女はただ言葉を受けるのみ。
まるで過去は戻らないと諭すように。
「とっても嬉しかったんよ。…それだけやない。うち、せっちゃんと一杯一杯、一緒に過ごせて、
ほんまに…ほんまに…幸せ…やったん…よ?」
少女は溢れてくる何かを拒むように、俯き唇をかみ締める。
震える少女の白くなった唇から紅い糸が流れていく。
その糸は周りに散っている紅い模様の中に溶け込んでいった。
「せやから…『すいません、幸せに出来なくて』なんて言わんで…良かったのに…」
俯いていた顔を上げた少女の目から、律する事の出来なかった感情の雫が零れ落ちた。
それでも少女は微笑みを浮かべる。
まるでそれが己の義務のように。
まるでそれが己の権利のように。
「うちは幸せやったんやから…」
少女は言葉を紡いだ。
眠っているように、穏やかに目を閉じている少女に向かって。
例えその言葉が闇に溶け込んでいくだけだとしても。
愛しい者に届くと信じて。
『ありがとう、このちゃん―――』
「!!」
微かな風が起こしたざわめきに沿い
愛しい者の声が聞こえた気がした―
語っていた少女の唇が一瞬震え、微笑みの形が崩れる。
しかしゆっくりと、再び微笑んだ。
「ほんまに…律儀なんやから…。せっちゃん…らしい…わ…。」
少女の目からはとめどない雫が零れ落ちていた。
それでも微笑みながら―
少女は腕の中の少女へゆっくりと顔を落としキスをした。
ゆっくり―
ゆっくり―
最後の触れ合いを心に刻み付けるように…
最後の触れ合いに心をとどめて置くために。
流れる風は静かに、微かに、ただ穏やかに、穏やかに音を奏でる。
悲しみに二人をうずめぬ様に―。
優しさを二人に重ねる様に―。
月光は白く、淡く、ただ優しく、優しく二人を包む。
闇に二人をうずめぬ様に――。
光を二人に重ねる様に――。
暗いです。死ネタです。
このせつベースですが木乃香語りです。
了承して頂けたらどうぞ〜。
闇は深く、光は遠い。
空にはただ白く輝く月がたたずんでる。
その光は淡く、優しく二人の少女を包み込む。
一人の少女が腕の中にもう一人を抱え、一つの影となっている。
「…なぁ、せっちゃん。覚えてる?」
一人の少女が口を開く。
「初めてうちにキスしてくれた時…」
腕の中の少女は、ただ時の中に身を沈めている。
「『必ず幸せにします。』…って、言うてくれたよね?」
語る少女の顔には悲しい微笑みが浮かんでいる。
まるで戻らない過去にすがりつくように。
語りかけられている少女はただ言葉を受けるのみ。
まるで過去は戻らないと諭すように。
「とっても嬉しかったんよ。…それだけやない。うち、せっちゃんと一杯一杯、一緒に過ごせて、
ほんまに…ほんまに…幸せ…やったん…よ?」
少女は溢れてくる何かを拒むように、俯き唇をかみ締める。
震える少女の白くなった唇から紅い糸が流れていく。
その糸は周りに散っている紅い模様の中に溶け込んでいった。
「せやから…『すいません、幸せに出来なくて』なんて言わんで…良かったのに…」
俯いていた顔を上げた少女の目から、律する事の出来なかった感情の雫が零れ落ちた。
それでも少女は微笑みを浮かべる。
まるでそれが己の義務のように。
まるでそれが己の権利のように。
「うちは幸せやったんやから…」
少女は言葉を紡いだ。
眠っているように、穏やかに目を閉じている少女に向かって。
例えその言葉が闇に溶け込んでいくだけだとしても。
愛しい者に届くと信じて。
『ありがとう、このちゃん―――』
「!!」
微かな風が起こしたざわめきに沿い
愛しい者の声が聞こえた気がした―
語っていた少女の唇が一瞬震え、微笑みの形が崩れる。
しかしゆっくりと、再び微笑んだ。
「ほんまに…律儀なんやから…。せっちゃん…らしい…わ…。」
少女の目からはとめどない雫が零れ落ちていた。
それでも微笑みながら―
少女は腕の中の少女へゆっくりと顔を落としキスをした。
ゆっくり―
ゆっくり―
最後の触れ合いを心に刻み付けるように…
最後の触れ合いに心をとどめて置くために。
流れる風は静かに、微かに、ただ穏やかに、穏やかに音を奏でる。
悲しみに二人をうずめぬ様に―。
優しさを二人に重ねる様に―。
月光は白く、淡く、ただ優しく、優しく二人を包む。
闇に二人をうずめぬ様に――。
光を二人に重ねる様に――。
| ホーム |









